肺(金)と腎(水)の話

年も明けましたが、今回は珍しく前回の続きです。

前回の話は「脾の相生」というタイトルで、要約すると……

・陰陽五行論的な瞑想(座禅)で安定して座るには、土台がしっかりという事で五行では脾(土)にあたる。

・「病は脾(気)から」という事を考え、座る時に背筋をぴんと伸ばして自分軸を感じる。

・この状態で呼吸(肺)が楽になるというのが、脾の相生(脾(土)→肺(金))である。

というわけで、ここから先が肺(金)と腎(水)の話になります。

自律神経の中で意識的にコントロール出来るのは唯一呼吸(肺)だけなので、瞑想では呼吸を重要視するのだと思います。

呼吸とは吸う事(陽)と吐く事(陰)の連続ですが、西洋医学では交感神経(陽)と副交感神経(陰)という事になります。

しかし中国医学では息を吐くのは肺の担当ですが、吸うのは何と腎の担当という事になっています。

これは一瞬オカルトに思えますが、次のように考える事が出来ます。

先ず水が空に上るには、温まって水蒸気になる必要があります。

そのためには熱エネルギーが必要で、それを担当するのが腎の陽気であります。

空に上った水は雲となりますが、それが太陰肺経の雲門にあたります。

そして雲は雨となり地球(身体と心)に潤いを与えるのが、肺の役割であります。

これをイメージで言うと、

・息を吸いながら、水が空に上って雲になるイメージ。

・息を吐きながら、雲が地球(身体と心)に潤いを与えるイメージ。

となります。

かくして肺(金)と腎(水)は協力して肝(木)を相生し、自律神経を整えるのでしょう。