督脈について

気分が落ち込むと背筋も丸くなりますが、中国医学では背骨を流れる“督脈”と関係があるのかも知れません。

督脈は「陽気の総督」と呼ばれ、全身の気を統括する経脈です。

だから督脈が弱ると、気力が出なくなるのでしょう。

督脈と関係するのは「腎」や「精」なので、地黄(じおう)などで腎精を補いましょう。

そうすることで、エネルギーの土台を強める事が出来ます。

食材で言うと、豆乳に黒すりごまを混ぜる等が簡単なのかも知れません。

頭のてっぺん(百会(ひゃくえ))を糸で吊られているイメージで姿勢を正すのは、

西洋で言うアレクサンダーテクニックの一つです。

しかし背筋を伸ばす気力も無い時には、どうすれば良いでしょうか。

そんな時には背中を丸めて横になるのも、心身を守る自然な姿勢です。

気力が足りないときは無理に“陽”に引き上げるよりも、一度“陰”で休んでから回復させる方が自然です。

胎児は母のお腹の中で、背骨(督脈)を丸めています(陰)。

そして生まれてからは、成長とともに首・腰にカーブができてS字に伸びていきます(陽)。

こうして督脈とメンタルが元気になっていくという事が、繰り返されていくでしょう。