流れについて

 労宮(ろうきゅう)というツボ(経穴)がありますが、労宮の「労」は疲労や過労を表しているそうです。

そして疲労というと一般的には気虚(脾虚)を連想しますが、労宮は脾経ではなく心包経にあります。

「心労であるから」と言ってしまうとそれまでですが、ここでは流れというものについて考えてみます。

六十九難という書物には、「虚すれば其の母を補い、実すれば其の子を瀉す」と書かれているそうです。

脾の母は心なので心包経を補うという訳ですが、ここで話は突然自律訓練法に飛びます。

 気の流れは一般的には上から下へ、内から外へと流れるのが正常とされています。

自律神経が乱れる(肝気鬱結)とこの流れが逆になり、下から上へ外から内へと逆流します。

このため上半身はのぼせ、四肢は冷たくなります(冷えのぼせ)。

自律神経を整えるためにはお腹を温めて(第5公式)上から下へと気を下ろし、手足の重温感暗示(第1公式と第2公式)で内から外へと気を流さないといけません。

気を下ろす事によって額は涼しくなり(第6公式)、お腹(脾)が温まる事によって相生的に肺(楽に呼吸しているという第4公式)、心(心臓が静かに打っているという第3公式)へと流れが進んでいくのでしょう。