土に始まり(四君子湯)、土に帰る(帰脾湯)

「天井桟敷の人々」という映画が、「フランスの「風と共に去りぬ」」と言われた事がありました。

しかし「風と共に去りぬ」のテーマは、「大地」なのです。

「七人の侍」のラストシーンでは志村喬が「農民は土と共にいつまでも生きる」、みたいなセリフを言いました。

中医学ではどこから手を付けるか判断に迷う場合、先ずお腹から手を付けるとの事です。

お腹は脾のことであり、脾は土です。

五行説はどこから始まるのか判然としませんが、わからない場合は先ず土から始まるという事です。

その脾(土)の基本処方が四君子湯となっています。

土(脾)は金(肺)を生み、金(肺)は水(腎)を生みます。

水(腎)は木(肝)を育て、木(肝)は心(火)に花を咲かせます。

そして花は散って、また土(脾)に戻ります(帰脾湯)。

五行説は輪廻転生、諸行無常なんですね。